マネイロを支えるモニクル開発チームとエンジニアの横顔
モニクルの開発チームは、モニクルグループの株式会社OneMile Partners(ワンマイルパートナーズ)が提供する、はたらく世代のお金の診断・相談サービス「マネイロ」を技術面で支えています。
マネイロ|お金の診断・相談サービス https://moneiro.jp/
今回は、モニクルのCTO(Chief Technology Officer, 最高技術責任者)である塚田翔也さんに、モニクルでのCTOの役割や開発チームの役割、またチームの特徴などについて話を伺いました。
※2024年2月6日付で、株式会社OneMile Partnersは株式会社モニクルフィナンシャルに変更いたしました。
株式会社モニクル
執行役員CTO
塚田 翔也 Shoya Tsukada
モニクルのCTOってどんな人か
簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
はい、こちらこそよろしくお願いします。
私は愛知県出身で、現在は家族と一緒に札幌に住んでいます。
今日はたまたま出張で東京に来ています。入社してしばらく東京に住んでいましたが、妻の実家があることもあり、北海道に引っ越しました。モニクルの本社は東京にあるので、フルリモートワークになります。
前職は機関投資家向けサービスを展開するベンチャー企業でCTOをしていました。それ以前は、愛知県に本社がある上場IT企業でアプリの開発などをしました。そこで開発を担当していたアプリがシリーズ累計で1000万ダウンロードされたことがちょっとした自慢です。
モニクルグループには2019年11月に入社しました。
塚田さんは、著書が何冊もあるんですね。
Androidアプリに関する著書を中心に出版しています。
アプリの開発は得意ですよー。
もっとも、モニクルではまだアプリを開発しておらず、いつでも行ける準備はしているので、うずうずしています。
塚田さん、IPA未踏なのですか。
そうですね。
2008年のことなので、もう15年前ですか。
時間が過ぎるのは早いですねぇ。
モニクルのCTOってどんな仕事をしているのでしょうか。
他の会社のCTOも少なからず同じかとは思いますが、自分の場合は、経営方針やそのスケジュールにもとづいた開発リソースの配分や、開発で使用する言語やインフラ、外部サービスなどの判断、またセキュリティ体制の整備なども担当しています。
それ以外にも、エンジニアやデザイナー、PM(プロジェクト・マネージャー)などの採用にも関係しているので、技術周りについて幅広く関わっている感じでしょうか。
塚田さんの守備範囲広いですねぇ。
そうなんです(笑)
ただ、様々なポジションの採用も進んで、プロジェクトごとにチームも組めるようになってきています。
私の入社当時と比べると仕事の内容はかなり整理できていると思います。
CTOから見てマネイロはどんなサービスに見えるのか
マネイロのサービスについて教えてください。
マネイロは、オンラインでお金のプロであるファイナンシャルアドバイザーに資産形成や万が一の保障に備えた保険の相談ができることが特徴です。
最近ですと、つみたてNISAを活用した資産形成のご相談が多いです。また、つみたてNISAを始めているものの、自分の資産運用は本当に間違っていないのかなどをご相談に来られる方も多いです。
皆さん、資産形成について「そもそも誰に相談したら良いかよく分からない」「知人から始めたと聞くが、何をどうしたら良いか分からない」「とりあえず始めたものの不安だ」という方が多いのではないでしょうか。
私もモニクルに入社する前は同じ立場だったので、その気持ちはよく分かります。
エンジニアでもある塚田さんから見て、マネイロのサービスの強みはどこにあるのでしょうか。
マネイロのファイナンシャルアドバイザーは、投資信託や債券、保険といった幅広い金融商品の中から、お客様のお金のご相談内容に応じて最適な提案ができることが最大の強みです。
たとえば、保険代理店に相談した場合には、保険商品の提案しか受けられないことも多いのではないでしょうか。
私自身、この会社に参画する前に大手保険代理店で相談をしたのですが、マネイロの幅広い提案を見て「絶対こっちの方がいい!」と思いましたから。
加えて、マネイロのサービスは予約から実際の面談まですべてオンラインで完結できるので、かなり使い勝手がいいはずです。うちの開発チームやデザインチームが頑張っています。手前みそではありますが(笑)
マネイロを支えるモニクルのエンジニア
モニクルのエンジニアがマネイロにどのように関わっているのかを教えてください。
モニクルのエンジニアはマネイロのサービスをあらゆる面から支えています。
一口にマネイロといっても、実は様々なシステムで構成されています。
たとえば、お客様と面談がスムーズにできる「オンライン面談システム」をはじめ、お客様の都合の良い時間帯に予約ができる「オンライン予約システム」もあります。
それ以外にも、オンラインセミナーをアプリのインストール不要でブラウザのみで視聴できるようにした「動画配信システム」や、お客様ごとに最適な資産運用の選択肢をご提案する「診断システム」などもありますが、それらはすべて内製です。
これらを統合的に組み合わせることで、お客様に使い勝手の良いサービスと思っていただけるよう、日々改善をしています。
全部内製なのですね。すごいですね。
そうなんです(笑)
創業当時は、外部サービスやノーコード系のシステムを積極的に採用し、既製品で代替が難しいものやコア技術になりうるものから内製していくというバランスで進めていました。
でも、結局全部自分たちで作るようになりました。
それはなぜでしょうか。
ポイントが2つあります。
ひとつは、「お客様の体験をベストにするため」です。
私たちはご相談いただいたお客様だけではなく、セミナーに参加いただいた方や診断を受けていただいた方のお客様情報も社内で一元管理しています。いわゆるCRM(Customer Relationship Management)ですね。
お客様が「相談したい」「セミナーを視聴したい」「診断をしたい」となった時に、外部が提供しているシステムやプラットフォームに送られてしまうと利用体験が損なわれると考えたためです。それなら全部自分たちで作ってしまえということになりました。
もうひとつは、「ファイナンシャルアドバイザーの働きやすさを最大限に高めるため」です。
これは先ほどお話しした「お客様の体験をベストにする」こととコインの表と裏の関係にあるともいえるのですが、お客様のご都合に合わせるためにはご相談をお受けするファイナンシャルアドバイザーの勤務状況も把握し管理する必要があります。
マネイロのお客様は、マネイロのオウンドメディアやネット広告といったデジタルマーケティングを通じて、マネイロのWebサイトに訪問されます。サイトを訪問されたお客様は、ご自身で診断されたり、セミナーを視聴されたり、また記事コンテンツを読まれたりします。
マネイロのコンテンツを利用していただく中で、「マネイロでお金の相談をしたい」と思われた方が相談予約をされます。
お客様が予約したいタイミングで面談日程を確定するためには、事前にマネイロのファイナンシャルアドバイザーが対応可能な日程をお示しする必要があります。いわゆるSFA(Sales Force Automation)ですね。
従来型の金融営業ですと、ファイナンシャルアドバイザーが自分たちで営業をしてお客様をお連れするので、そこで予約などが決まるのでしょうが、マネイロの場合はWebサービスですので、そういったすり合わせが事前にはできません。
一方、マネイロのファイナンシャルアドバイザーたちは自分たちの都合にあわせて勤務計画が立てられます。休みの日にいきなり面談が申し込まれることはありません。結果、ファイナンシャルアドバイザーにも気持ちよく働いてもらえるなと感じています。
このように、お客様の利用体験でベストを目指すことを考えた時にCRMとSFAの機能を合わせ持ったシステムも社内で作った方が良いよねということになりました。社内ではこのシステムをAdministration(管理)からネーミングをして「ADMIN(アドミン)」と呼んでいます。
マネイロ以外に開発している案件はあるのでしょうか。
ありますよ。
社内向けの金融商品の売上管理システムや金融機関様向けのB2B向け案件も受注しています。
売上管理システムは、弊社に数多くある金融機関様とのお取引において、売上管理に人手を必要とする処理が多かったので、社内でシステム化しています。
またB2B案件は、外部の金融機関様から弊社システムの一部を「この機能を使わせて欲しい」とご要望いただくケースもあり、そうしたご依頼の一部をB2B案件として対応しています。
モニクルの開発の面白さは金融の深堀りとサービス品質の追求にある
モニクルの開発はどんなところが面白いのでしょうか。
証券や保険に関する金融領域の知識を設計やソースコードに落とし込むところが、自分たちでやっていて一番面白いですかね。
金融に興味があるエンジニアであれば、どんどん深堀りができると思います。金融は間違いなく、懐が深い領域・テーマといえますね。
たとえば、弊社の泉田が書いたコラムを読んでも、つみたてNISAが日本の証券投資人口を急拡大させたことが分かります。これは今後の証券投資のすそ野が広がったと捉えることができ、また将来にやれることが増えたなと感じています。
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生活者で金融が関係ない人はほとんどいないと思っています。なので、自分たちが開発したものがより多くの人にインパクトを与えられると思うと、社会的意義はかなりあると思います。
モニクルのエンジニアになるためにエンジニアとして金融の知識は必要でしょうか。
金融はそもそも専門知識が必要な領域であることは間違いありませんが、では、うちのエンジニアが入社前に事前知識があったかというとそうではありません。
モニクル創業メンバーである原田や泉田は証券会社や投資信託会社、生命保険会社出身なので、社内に金融の専門家がいる状況です。わからなければすぐに聞けばいいです。
また、マネイロでは、ファイナンシャルアドバイザーがお客様の資産形成サポートや資産運用アドバイスを行っていますので、ファイナンシャルアドバイザーはもとより、お客様の声も含めて現場の声がいつでも聴ける環境にあります。
こうした環境は、開発する側のモチベーションにつながりますし、開発を続ける中でエンジニアの金融に関する専門性も上がると思っています。
先程、内製でほとんどのシステムを作ってしまったとお話を伺いましたが、金融産業はIT投資が盛んだという印象があります。既存のシステムの使い勝手が悪いということでしょうか。
金融産業は一般的な産業と異なり、そもそも規制業種だという点が一番大きな点かもしれません。
既存のシステムは、私の印象ですと、ルールで仕方なしにそうなっているもの、また大手の金融機関の場合ですと、システムが部署ごとに分断されており、会社として一気通貫したシステムになっておらず、結果、使い勝手が悪くなっているんだと感じます。
先ほどお話ししたように、弊社の「ADMIN」は、CRMとSFAを合体させたシステムですが、その目的もマネイロのサービスの品質をベストにし、顧客体験を最大化させるためです。
機能の追求というよりも、マネイロのサービスの品質と精度を上げるための設計となっていることが大きな違いかと思います。
こうして見ると、弊社のシステム自体がサービスを前提としたものとなっているので、一口に金融システムとは言っても既存のシステムと一概には比較できないかとは思いますね。
モニクルのエンジニアの特徴とは
モニクルにはどのようなエンジニアが集まってきているのでしょうか。
先程の話とつながるのですが、金融、特に資産形成や資産運用に興味があるエンジニアですね。
モニクルにジョインしてくれたエンジニアの中には、お客様としてマネイロのサービスを利用し、そのコンセプトや品質に共感して入社を決めてくれたメンバーも何名もいます。
また、家庭のあるエンジニアが多いことも特徴です。これも入社してくれたエンジニアが資産形成に興味を持っている理由の一つかもしれません。
モニクルの役員を含めて子育て世帯も多く、開発チームからは「自分と同じような環境にあるユーザーに役立つ開発がしたい」という思いがひしひしと伝わってきます。
モニクルのエンジニアは東京在住の人が多いのでしょうか。
もちろん東京在住のメンバーもいますが、モニクルはフルリモートワークなので、東京以外の地域の採用を積極的に進めた結果、今や地方在住のエンジニアの方が多い開発組織になりました。
たとえば、弊社のエンジニアの一人であるなかざん(@Nkzn)は新潟在住で絶賛子育て中です。
なかざんのTweetを見てもらえればすぐにお分かりになるかと思いますが、私から見ても生活が充実しているのではと感じます。あ、ちなみに、なかざんもAndroidアプリ開発の本を何冊か執筆しています。なので、モニクルはアプリを開発したら本当にすごいことになると思いますよ(笑)
話はそれましたが、こうして見ると、仕事と生活のバランスを上手にとることができる、いわゆる大人のメンバーが多いのも特徴かもしれません。
フルリモートワークを謳いながらも、実際には週1回は出社してください、というIT企業もあるようですが、モニクルでもそうした心配はありますか。
まあ、私が札幌在住なのでお察しいただけるかと思いますが、今後もフルリモートです(笑)
そもそも開発チームのメンバーは、東京のメンバーもいますが、新潟や沖縄、海外に住んでいるメンバーもいますので、フルリモートが前提になっています。
リアルで顔を合わせる機会といえば、これまではグループ会社が一同に集まる年次総会や役員合宿、社内バーベキューイベントなどがありましたが、そういったイベントも毎週あるわけではないので、週1回リアルで集まるというのは実質無理ですね(笑)
このようにリアルでは顔を合わせる頻度が少ないこともあり、ビデオチャットツールである「Around」を繋げっぱなしで仕事をしたりして、ライブ感は大事にするようにしています。
余談になりますが、モニクルの創業メンバーである原田や泉田が最初に立ち上げた株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)はネットメディアを運営していますが、ナビゲータープラットフォームもメディアの編集者を中心にフルリモートワークの会社です。
このように、モニクルグループにはリモートワークのDNAが埋め込まれていると思ってもらえればと思います。
最後になりますが、モニクルでエンジニアとして挑戦してみたいという方へメッセージをお願いします。
日本の金融サービスを自分たちの手で変えてみたいという思いがある方とぜひ一緒にお仕事がしたいです。
日本の金融はインフラやプラットフォームとしては立派なものは多いですが、サービスとしては完成度はいまいちと感じている方も多いかと思います。
また、FinTech(フィンテック)と一括りにされるものの、単に既存ある機能をデジタル化しただけで、実際には利用者ごとに向き合ったサービスにまで昇華しているものは多くないとモニクルでは考えています。
ここまでお話ししたように、モニクルでは「お客様の体験をベストにする」というサービス視点から逆算し、システムを設計しています。こうしたコンセプトに共鳴していただける方とお話ができればうれしいです。
まずは、カジュアル面談をお待ちしています!
モニクルCTO塚田 カジュアル面談
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参考資料
株式会社モニクル
モニクルー編集部